韓国の戒厳令について、わかりやすく簡単に解説します。ニュースやネットを見ていて、韓国の戒厳令がなんとなく大変なことなのはわかったけど、ぶっちゃけ何がどうやばいのか理解してないって人、いませんか?韓国旅行をとりやめたという人も続出しているので、これから旅行に行く人は心配ですよね。今回は韓国の戒厳令についてわかりやすく解説します。気になる治安についても調査したので、旅行の参考にしてみてください。
戒厳令とは
戒厳令(かいげんれい)とは、必要がある場合に行政や司法を軍が掌握して、デモや集会行為を禁止したり、メディアの統制をしたりなど国民の基本的人権を制限することができるものです。
正式には「非常戒厳」と呼ばれていて、韓国では大統領が権限を持ちます。
その目的は、治安悪化や過激な暴動を中止させるため。簡単に言うと、有事で国が混乱して国民がパニック状態になっているときに、強制的に軍の力で国を治めようというものです。
そのため、戒厳令が発令されるのは、戦争や内乱のとき、クーデターやテロのおそれのあるとき、大災害が起こったときなどが想定されています。
韓国で宣布された戒厳令の詳細
2024年12月、突如として韓国で戒厳令が宣布されて世界に衝撃を与えました。韓国の戒厳令について、詳しく見ていきましょう。
韓国で44年ぶりに宣言された「非常戒厳」
2024年12月3日、韓国の大統領・尹錫悦(ユン・ソンニョル)が突如、非常戒厳を宣言しました。
韓国で非常戒厳が宣布されたのは、実に44年ぶりのこと。
最後に非常戒厳が宣言されたのは1979年で、当時の大統領・朴正煕(パク・チョンヒ)が暗殺されたときでした。国政の混乱を避けるために宣布されたものです。
この1979年の宣言を最後に、韓国で戒厳令が敷かれることはありませんでした。
世界に衝撃を与えた韓国の戒厳令
現在の韓国は1979年当時とは異なり、公共の秩序が乱れていたり、クーデターやテロの心配もありません。
そんな韓国で突然、戒厳令が出されたことは世界中に衝撃を与えました。
大統領には戒厳令を宣布する権利があるというのは知っていても、そもそもほとんどの人が、戒厳令をまさか実際に使う大統領がいるなんて…!と思ったはず。
軍の力で国民を抑圧するというのは、今はかなり時代錯誤ですよね。
なぜ韓国で戒厳令が発令されたのか
戒厳令が宣言されて世界に衝撃を与えた理由は、今の韓国は戒厳令を敷くような国政の状態ではなかったから。ではなぜ、ユン大統領は戒厳令を宣言したのでしょうか。
本当のところはユン大統領しか知りえませんが、予想される理由について紹介します。
闇の勢力から国を救うため?
戒厳令を宣言したユン大統領いわく、闇の勢力から国を救うためにだそう。
でも韓国って、成熟した民主主義社会。闇の勢力とは、何のことを指しているのでしょうか。
ユン大統領のいう闇の勢力とは、おそらく政府や国会のことではないかといわれています。
自分の権力を維持するために野党勢力を抑え込むことが目的?
ユン大統領は、2022年に大統領になったものの、自身や周囲のことで常にさまざまな論争が巻き起こり、権力の掌握を果たせずにいました。
例えば大統領に就任した2022年の10月には、梨泰院でハロウィーンに159人の若者が死亡した雑踏事故が発生し、政府が非難を浴びました。
また、最近は妻の高級ブランドに関するスキャンダルも浮上。支持率は20%前後まで下がってしまっていました。
今年4月の総選挙でも所属する「国民の力」は300議席中108議席にとどまり、野党の「共に民主党」が単独過半数の175議席を獲得。野党議員らと政治闘争のさなかにいました。
つまり実質、ユン大統領の権力はほとんどないに等しい状態だったのです。
戒厳令は大統領のクーデター
つまり、ユン大統領は国会が自分の思い通りに動かない、動かせない現実に行き詰まり、クーデター的に戒厳令を宣言したのでは?という見方が強まっています。
戒厳令はその後どうなった?
韓国の戒厳令は、今現在はどうなっているのでしょう。
戒厳令宣言からわずか6時間で撤回
2024年12月3日夜遅くに宣布された戒厳令ですが、今現在は解除されています。
そもそも宣布から約6時間後には、非常戒厳を解除するよう求めた決議に出席した議員190人全員が賛成し、全会一致で可決され解除せざるを得なくなりました。
ユン大統領もここまでの反発は予測していなかったようです。
ユン大統領に対する弾劾訴追が可決
韓国の国会は12月14日にユン大統領に対する弾劾訴追案を本会議で採決しました。弾劾訴追とは、つまりクビということです。
この決議案は、国会議員の3分の2にあたる200人を超える賛成で可決したそうです。そのため、ユン大統領は職務停止となりました
今後は、憲法裁判所が審判を行って180日以内に妥当性を判断。2/3以上の裁判官が罷免に賛成すれば、大統領は失職します。
戒厳令で治安が悪い?韓国旅行しても大丈夫?
今回の戒厳令によって、韓国内外は混乱していましたが、今現在の治安はどうなっているのでしょう。
今は治安が悪化していて韓国に行かないほうがいいって聞いたけど、本当?と思っている人に向けて、戒厳令と治安の関係について紹介します。
基本的には普段通りで問題なし
戒厳令はわずか6時間で解除されたこともあり、基本的には普段と治安は変わりません。
日系の現地企業なども通常通り営業しています。
ただし、念のため光化門や国会周辺には近づかない方が良いでしょう。
外務省 海外安全ホームページでも警戒レベルの引き上げはなし
海外の渡航安全情報を伝えている外務省の海外安全ホームページでは、渡航時の危険レベルを案内しています。
現在のところ、韓国には危険情報は出ていません。
旅行会社のツアー中止はなし
さまざまな旅行会社が韓国ツアーを企画運営していますが、現在のところ中止になったというところはありません。
これらの情報を鑑みると、戒厳令によって治安が悪化しているということはなさそうです。
戒厳令による治安への影響はなし!韓国旅行を楽しもう
世界中が混乱した韓国の戒厳令宣言でしたが、すぐに解除されたため、大きな影響はなかったようです。治安が悪化している!という情報もないわけではありませんが、実際のところは外務省もツアー会社も対応を変えていないので、治安への影響はほぼないと思われます。
ただし、まったく注意しなくて良いというわけではありません。安全情報については、うわさや口コミをうのみにせずに外務省の安全情報などをチェックして自分で判断しましょう。
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